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3月に入ったので年度最後の予算を執行しました

突然ですがPixInsightを導入しました。

TL; DR

PixInsightを導入して、2019年11月30日に撮影したカシオペヤと2020年1月1日に撮影したオリオン座のコマを再処理しました。

前置き

普通はお正月というのは家族とゆっくりお休みを過ごすものだと思いますが、それを無視してお正月の初っ端から夜中の撮影会に興じていた、というのは以前記事にしたと思います1。さらに、そのとき撮影したデータから顧問のnagahiro先生がお手本を作ってくださった、ということも記事にしました2

nagahiro先生は天体写真の処理にPixInsight(以下、PI)という海外製のアプリケーションを使用しているらしく、送ってもらったお手本もPIで処理されたものでした。記事を漁ると、だいたい昨年の秋辺りに導入されたのでしょうか、いくつかの記事がPIで処理したことが明記されています。

天体写真の世界には特定の処理以外に使えないような機能特化したアプリが多くあります。PIもそのうちの一つですが、どちらかというと機能豊富な部類で、Photoshopのフィルタのよう処理がたくさん用意してあってそこから選んでく感じです。PIは多分無理やり使おうと思えば他ジャンルの写真にも使えると思いますけれども、検索しても使ってる例は見つかりませんで。PIの他にもFlat Aide Proや Starnet++、ここ最近話題沸騰中(らしい)Topaz DeNoise AIなど、天体写真の特定の処理に特化したソフトはいくつか挙げられます。

似たような機能を持っている処理ソフトにはステライメージがありますけれど、こちらはよく一緒に写真を取りに行く職場の同期K氏が導入済み。「おんなじソフト使ってもおもんないやろ」と、ひねくれトンボのワタクシはPIを導入したのでした。日本の会社で開発・販売しているステライメージと比較して、PIは海外製のソフトのため、日本語で記述された情報が乏しいという難点もありますけれども、Google翻訳が発達したこのご時世、そんなの別にどってことないでしょうね。英語を読むのが面倒でも、ボタンポチッ。なにかわからないことがあったらnagahiro先生に尋ねればいいや、なんてそんな安直なことは考えていません。考えていませんよ、決して。

PIの処理

調べてみると、SWATを製造してるユニテック(株)さんのブログ天体画像処理入門にPixInsightの画像処理に関する記事が充実していることがカンタンにわかります。今回は、該当する項目をひたすらなぞる格好で処理を行いました。

備忘的に記しておきます。

  1. ライトフレームをバッチ処理、バイアスとフラットを処理する(ダークは撮影していませんでした)
  2. 吐かれたライトフレームにDynamic Backgraound Extractで背景から光害の影響を除去
  3. Photometric Colour Callibrationで色合わせ
  4. Star Alignmentをつかって色収差除去
  5. Arcsinh Stretchをつかってストレッチ
  6. Pixel MathでHDR的に合成
  7. SCNRで背景の緑カブりを除去

最後のSCNRはnagahiro先生から「背景が緑色にカブっておるぞ。SCNRを使うべし」と勅が発せられましたので謹んで適用しました。

処理結果

長くなりましたが、2019年11月30日に奥多摩で撮影したカシオペヤ座と2020年1月1日に神割崎で撮影したオリオンを再処理しましたので、その処理結果を掲載します(微恒星がうるさかったのでカシオペヤのコマだけ、明るさの最小値で星を小さくしました)。

Re-arrange of Cassiopeia

Re-arrange of Orion (Again)

たくさん機能があってPIを使いこなせるには相当長く掛かりそうですが、手をつけた数少ない機能の中では、Dynamic Backgraound ExtractとPixel Mathがとても協力なツールであると感じました。これだけたくさん機能があって、230ユーロは安いですね。特に今は新型コロナウィルスの影響で、円が上がってますので買いどきかもしれません。そのうち、Flat Aide Proの飽和復元合成も手を付けてみたいな。

その他つぶやき

nagahiro先生には現在FC-76を預けてありますが、レビューしていただきました。どうやらケンコーのSkymemo Rでもオートガイドを使用すればガイドできそうです。これはMGENなりなんなりオートガイドシステムを導入しなさい、という神か仏あたりのお告げだろうか。その前にポタ赤じゃない架台を導入する腹積もりなので、その選定をしなければ。SkyWatcher EQ6 Proがいいんじゃない、と勧められたけれど、勧められるがままに、海藻。ワカメのスープ。

snct-astro.hatenadiary.jp snct-astro.hatenadiary.jp


  1. nagahiro先生のsnct天文部のブログ snct-astro.hatenadiary.jp ワタクシの記事 glasnsci.hatenablog.com

  2. nagahiro先生が光の速さでお手本を作ってくださったというお話。glasnsci.hatenablog.com